山域

南アルプス

ルート

尾白川坊主ノ沢 ルート図

日程

2005年12月23-25日

メンツ

ナンチャン,moto.p

 

 

12/23(金)

曇り

神社(7:10)-5合目(11:55)-岩小屋(13:30)

 

性懲りもなく、黒戸尾根を黙々と登る。今回は、購入したばかりのiPOD持参しているので、音楽を聴きながら、退屈な登山道を行く。休憩ごとにナンチャンと交代で使用する。

休憩中に恐ろしくペースの速い男女2名パーティが通り過ぎていく。ナンチャンは、調子が悪そうでペースが上がらない。刃渡り辺りからは、先行して5合目で待つ事にする。男女ペアは、奥壁を予定しているとのこと。やはりツワモノだったのだ。15分ほど待つと、ナンチャンがやってくる。すごく気持ち悪いと言っている。風邪をひいているのかもしれない。仕方ないので、本日は千丈ノ岩小舎までとする。中1泊の予定なので、なんとかなるであろうと、この時は考えていた。

 

 

12/24(土)

曇り小雪

岩小舎(6:25)-引返し地点(11:00)-岩小屋(16:00)

ナンチャンの具合は、昨日よりは格段に良いようだ。本人も大丈夫と言っているので、突っ込む事にする。

去年も同じルートを通っているので勝手は分かっている。しかし、明らかに積雪が多い。河原に積もった締まっていない雪は、非常に歩きづらく、水流も隠れているので気が抜けない。はずだったのだが、油断して薄氷を踏み抜いてしまう。両足とも水に浸かってしまい、靴下まで濡れてしまう。敗退するほどではないが、このままの状態はやばいので、靴下を替える。30分ほどロスしてしまう。

この間にナンチャンは先行するが、すぐに追いつく。転んで、膝に打撲を負ったと、のたまわっている。そして、ナンチャンのペースは、また落ちる。

本谷に合流してからは、moto.pが先行する。本谷最初の滝は、去年は氷を登れたのだが、今年は釜が大きく、直接登る事が出来ない。左岸から際どいトラバースで越える。そうこうしている内に後続がやってくる。空身である。どこへ行くのだろう、北坊主か?と考えていると、

「黄蓮谷は、もう少し上ですかぁ〜?」

と叫んで聞いて来る。おいおい、そりゃ勘違いしすぎだろう。どうしたらこの先に黄蓮谷があると、考える事が出来るのだろうか。全く地図を見ていないとしか思えない。

「さっきの二俣が黄蓮谷ですよ〜」

と教えてやる。二人は、すごすごと引返していった。

 

他人に感けている暇はない。こちらもペースが上がらない。膝下くらいのラッセルだが、重荷&歩きづらい事もあって、思いのほか時間を食ってしまう。しかも、ナンチャンは遅れがちだ。北坊主ノ沢出合に達する前に午前11時を回ってしまう。

この段階で、時間の皮算用をする。滑滝沢に取り付いてしまえば、氷の部分を抜ける意外にない。しかし、このままのペースだと、登攀開始は午後13時を回るだろう。登攀には4時間以上を要すと思われる。しかも、午後の天気は悪い。

ここは、あっさり敗退を決める。ナンチャンの足の状態も良く分からないし、夜間登攀なんて考えたくない。てことで、元来たトレースを引返す。途中、右岸にきれいな氷柱が懸かっていたので、ちょっと遊んでいく。フィギア4とか試しにやってみるが、こんなの刃物持って、本気で出来るかい!と思う。

 

本谷最初の滝

スラブに薄く雪が積もっていて、けっこう嫌なトラバース

フィギア4ごっこ@

 

フィギア4ごっこA

 

岩小舎に戻る途中、坊主ノ沢のF1が目に入る。戻る道すがら明日は早めにおりて、平田ルンゼでも行くかぁとか話していたのだが、わざわざここまで来て、1本も登らないなんて、切な過ぎるなぁと思う。ここは、坊主ノ沢へ行くしかないんじゃないかい。てなことで、その旨をナンチャンに提案する。嫌とも言えないだろうけど、OKを頂く。

 

 

12/25(日)

快晴

岩小屋(6:05)-出合(6:20)-終了点(10:30)-岩小屋(12:30〜13:30)-5合目(14:45)-駐車場(17:25)

午前中には終了するつもりで気合を入れる。相変わらずナンチャンは、足が痛いようだが、今日は荷物も軽いので大丈夫だろう。

出合の滝45mは、moto.pリードで取り付く。決して難しくはないが、長いので疲れる。落口左岸に露出していた太い根っ子をアンカーにする。

 

F1・45m

氷結状態は良い

 

この後は、雪を纏った小氷瀑が、適度に現れる。氷と氷の間は、膝下から膝上くらいのラッセルで、氷自体は、特にロープの必要も感じない程度だ。

CSの下を潜って登る氷もあり、意外と変化に富んでいる。大ナメ滝は、下部の氷質が悪く、意外と緊張する。馬鹿でっかい氷塊を何個か落とす。

 

雪を落としながらの登攀

 

CS滝

きれいなツララを舐めるナンチャン

 

CSの下の氷柱

 

ナメ氷に疲れてくる頃、坊主東壁の基部が見えてくる。去年も来ている場所なので、なんの心配もない。しかも昼間で、天気は快晴だ。トラバース地点に近づいたので、小尾根を乗り越し、左俣へ入る。明るければ、何ら問題なく坊主東稜へ至ることが出来る。

東稜も、雪が多いとかえって下りやすい。前回、懸垂下降した場所を避けるべく、ルートを選んでいく。一回だけクライムダウンっぽいことをしたが、ばっちり五丈沢出合に飛び出る。

 

坊主岩東壁

 

刃渡り付近から見る八ヶ岳

 

やっぱ、坊主ノ沢へ入って正解だった。気持ちよく抜ける事が出来て嬉しい。

岩小舎でお茶を飲んで、少し落ち着いてから出発する。悲しいことが一つ・・・テント撤収時に腕時計を失くしてしまう。恐らく、雪の中に落ちてしまったのだろう。雪のない時期に来れば、見つかるだろうか。

駐車場には、なんとかヘッデンの世話にならないで辿り着く。定番の健康ランド須玉で汗を流し、そのまま中央道を飛ばす。飯は、日野のBigBoyで俵ハンバーグを食べたのだが、オーダーミスで40分も待たされるは、味は不味いはで、最後の最後に嫌な気分を味わってしまう。二度と行かねぇ。

 

 

 

感想

 

滑滝沢へ行けなかったのは残念でしたが、尾白川の1本を登る事が出来たので、気分は悪くないです。やっぱり、アルパインアイスは、氷だけで語る事は出来ないなぁと、改めて思ったしだいであります。

 

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