山域 |
上州赤城山 |
ルート |
粕川銚子の伽藍 |
日程 |
2011年2月5日 |
メンツ |
単独 |
2/5(土) |
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晴れ |
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八丁峠(10:23)-遡行開始点(11:25)-銚子の伽藍終了点(13:20)-八丁峠(14:45) |
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睡魔に負けて、シュラフから這い出したのは、午前6時過ぎ。わちゃ〜やってもうた。とは思うものの、非常に短いルートなので、お昼に取りついてもなんとかなるから まいっかぁてな感じ。
ところが、関越道は朝っぱらから 下り線が大渋滞で、やめてほしすな状態。ダメ押しですな。
↓ ↓ ↓
赤城山の山頂付近は、積雪がそこそこあり、今季の降雪量を物語っている。大沼は全面氷結していて、ワカサギ釣りの小さなテント村が出来上がっている。へべとかは来ないんだろうか、こんなに近いのに。
大胡赤城線は冬季通行止めの為、山頂経由だと八丁峠のゲートが終点。このゲート前に車を停めて出発準備。地蔵岳に登るスノーハイカーもチラホラ。 大胡赤城線の車道上は積雪50cmくらいかしらん。トレースを外すと、そこそこ潜る。以前1月上旬に来た時は、殆ど積雪が無かったのに。しかし、今日は暖かい。山頂付近で氷点下じゃないんだもん。いや〜な予感がしますなぁ。
で、前回発見した銚子の伽藍入口へ下降する道へ入る。この道の目的が何なのかイマイチ分からないけど、けっこう赤テープあるし、古いフィックスロープもあるし、昔は普通に登路として使われていたのかしらねぇ。途中で見つけた道標によると「ガラン西尾根」って言うらしいですわ。 道自体、もちろん不安定極まりなく、滑落なんぞしたら まず止まらないって感じ。だもんで、慎重に慎重に 降りて行く。下降点から1時間弱で、粕川の川床に到着あるね。
降り立ったところは、6mCS滝の釜のところ。真冬だと言うのに けっこうな水量を落としてますわ。 まあ、これは全然な状態でのぼれねぇ〜。
いきなり登れん滝なので、右岸巻きに入る。沢床はえげつない大岩で構成され、水流もけっこうある。銚子の伽藍までは、氷を触るのは無理やね。
いよいよ突入。沢床には、土埃を被った雪は堆積して薄汚いけど、ここで準備するしかない。刃物関係を装着して、楽して生きた〜い!と咆哮するだわさ。
いきなり釜ありの小滝。氷は申し訳程度に 落口付近と側壁にへばりついている程度。
え!取り付けないじゃん、どうすんだよぉ・・・いきなり敗退はいかがなものかと。
右岸をへつれば、なんとかへばりついた氷に乗れそうな感じ。残置スリングも見えるし。で、モノポイントを軟弱な壁に突き立てて、ジリジリと氷もどきに近づき、残置にピックを引っかけ、なんとか氷もどきに乗り上がる。ところがぎっちょん、落口の氷はペラペラで、アックスで叩いただけで、ガッシャ〜ンと音を立てて落ちてしまう。とても体重を支えられるとは思えない。
やっぱ敗退かい、かと言って微妙過ぎてクラムダウン出来るわけないじゃん。
1分ほど逡巡した挙句、左岸のCSの隙間の雪だか氷だかなら登れそうと結論を出す。ただし対岸に渡るには、大股開きをしなきゃいけません。沢登りならなんてことないのにねぇ。真冬は釜にダイブするわけにいかんのよ。残置にピックを掛け、やあ!と右足を伸ばす。今度は左足を右岸から離さなくちゃ。左足だけの力で蹴り離すには、足開き過ぎできびしす。ここは素手になって、ピンチホールドを両手で取る。せ〜の!ちょ〜!って成功だわさ。やるじゃんあたし。後はCSの隙間を強引に登って、なんとか乗り上がる。
すぐに第2の関門登場。6mナメ滝釜つきですわ。こいつも微妙に取り付けない。さっきに比べれば釜は浅いけど。で、またへつりにトライするけど、今回は無理!な感じ。
え〜!ここで敗退・・・やだよそんなの。
ふむぅ、釜は足首くらいの深さと思われる・・・よっしゃ勢いつけて走って飛びついちゃおう! 少し後ろに下がり、1歩2歩3歩4歩でジャンプして氷っぽいところに飛び乗る。 お!足極まった。ラッキー!氷にピックが掛かってしまえば、It's Easy なのだ。
このナメ滝、右岸壁に なぜか残置が連打されている。山登魂さんの記録には、そんなことひと言も書いてなかったような・・・。ってことは、ガイドの仕業か。記録を読んで、ガイドツアーコースにしようって腹だな。とんでもねぇ、この残置はないだろ。
次回、沢で来る人、全部抜いちゃって下さい。酷過ぎです。
最狭部と思われる箇所は、両岸が上部でくっつきそうくらいですわ。左岸からは立派な氷柱が垂れる。これを登りに来る酔狂な輩はおらんやろな。がしかし、天気の良いこともあり、全然暗い感じはしない。おそらく樹木の葉が落ちてしまっているからあるね。ある意味、冬向きかもなのかも。
さてとポテト、今回の核心部第3の関門登場。10mナメ滝ですわ。 もちろん、氷自体は簡単!なはずなんだけど、やっぱり釜つき。けっこう深いです。 右岸壁にバンドがあり、そこに上がれれば氷に辿り着けるとは思うのだけど、雪が積もっているし、アイゼン履いた状態で細かいホールド頼りに体を持ち上げる自信なし。やっぱり、お約束通りへつってみる。こんなところでボルダームーブかよ。けっこう粘ってはみるものの、モノポイントで立ち続けるの限界。
え〜!こっから敗退は、もはやあり得ないぜよ。
落口の先を見上げれば、既に側壁が高さを失い、灌木も見えている。 てことはこいつを越えれば、ほぼ終了じゃね。だったら ずっぽり浸かったっていいんじゃね?今日、寒くないし。
いったいどの程度の深さか、目測ではよう分かりまへん。だけんども、行くっきゃない!
チ ェ ス ト 〜 !
さすがに深さが膝まで来ると、軽快に走れない。皮算用よりも緩慢な動きで、氷にピップを掛ける。 足が〜足がかからへ〜ん ジタバタしたので、十分に水は浸透ですわ。でも、なんとかずり上がり、け!どうってことねぇやとうそぶいてみるだわさ。この氷瀑、真ん中はペラペラで、落口付近は意外と怖い。一度右足が突き抜けて心臓が止まりそうになったわさ。
この滝の上は小滝二つほど、もはや靴の中びっしょりなので、何も気にならない状態。 で、最後の滝ですわ。2段5mナメ滝って感じなのかしらん。
ここで、右岸壁にまたしても、残置発見!直登ルートじゃなくて、高巻きのエイド用みたいですな、いやはやなんとも、打つのも大変だろうね。
最後の滝、下段は簡単なんだけど、上段はオールペラペラで、足乗せるところが無い。どうしようと、一瞬逡巡するけど、足開いたら簡単に届いちゃう幅だったのよね。ステミングで前進だわさ。落口の水線沿いは、やっかいそうなので、CS右手の隙間をピック頼りに ずり上がって終了。 あら銚子の伽藍から脱出じゃない。知っていたけど、上流は穏やかなのよね。
なんだか、けっこうエキサイティングだったわね。アイスクライミングとは言い難いけどアハハハ。
こっからは消化試合ある。プチラッセルで登り返して車道を戻るだけなんだけど、意外と距離ありまっせ。暑いしさ。
この後、富士見温泉見晴らしの湯で汗を流して、明日の行動食と朝飯をスーパーで買い出し、高崎のすき屋でネギ玉牛丼の健康セットを食い、次の山行地へと車を走らせたのでした。
つづく
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感想 |
たぶん、雪解けで水量増えてますわ。通常なら もう少し釜が後退していると思います。ただし、標高低いので、冷え込み厳しくないと、凍らないと思われます。まあ、突っ込んでみなきゃ分からないですけど。あたし的には、面白かったです。お勧めはしませんけどね。
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